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3月(とウクライナ)

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ピーテル・ブリューゲル「死の勝利」

 

毎日テレビで報道が行われているウクライナの映像を見ながら、ブリューゲルの死の勝利が脳裏に思い浮かんでいた。この状況で、海を隔てたこの国で、呑気に生きている自分にできることは一体なんだろうか。

絵を描くことや、芸術が、一体どれほどの力を持ち得ると言うのだろう?

誰かがこの戦争は長期化しないだろうと言う。

僕は分からないと思う。

 

とにかく、できることは毎日を過ごしながらも、とにかく知ることだと思う。自分にできる範囲で少しでいいから、この戦争への興味を持続していくことだと思う。記憶が抜け落ちていかないように。考えることをやめてしまわないように。

 

この絵が描かれた16世紀当時、ヨーロッパでは黒死病が流行していた。つまりペストだ。老いも若きも、貧者も富裕層もみんなこの病に殺されたろう。どちらかと言えば、戦争よりもコロナウィルスを想像させる。ウクライナで起こっていることでは、ロシア兵もたくさん亡くなっている。たしか1万人以上の兵士が死んだとウクライナ政府が発表していた。ロシア人も死神ではなく人間なのだ。

また、この戦争に対するロシア側の空気は第2次世界大戦前夜のドイツを彷彿ともさせる。第一次世界大戦に敗れたドイツと共産主義の崩壊したソ連がダブって見える。プーチンの演説に熱狂する観衆はまるで、ヒットラーとナチズムの再来を安易に想像させる。テレビでは、若い世代の反応は戦争に否定的かつ批判的で、古い世代は肯定的かつ支持層の多いというイメージをステレオタイプ化した報道が印象に残った。実際はどうなのだろう。しかし、ウクライナ侵攻を支持するロシア人の心情まではいまいち掴めない。ロシアが侵攻を開始する直前までの「内側」に住む人たちは、ウクライナが本当にロシアに敵対するように感じていたのだろうか。EUへの加盟をたびたび表明していたゼレンスキー大統領とプーチンの相性が最悪なのはようやく理解できた。この戦争で浮き彫りになってきたことを踏まえて、これは本質的に冷戦がまだ終わっていなかったということだろうか。

 

最後に佐藤優さんのウクライナ情勢の分析がおもしろいので載せておく。


佐藤優「プーチン大統領の目的は『ウクライナに傀儡政権を樹立すること』ではない」 「ハンガリー動乱」「プラハの春」と同じ方法を試みている | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)